代用甘味料が虫歯になりにくい理由:砂糖との比較から探る
代用甘味料とはスクロース(砂糖)の替わりに用いる甘味物質の総称です。糖尿病でも安心して食べられる高血糖を生じない甘味料、肥満対策に用いる低カロリーのダイエット用甘味料、そしてむし歯の原因にならない甘味料などがあります。
砂糖は虫歯の原因となる主要な要素の一つとして知られていますが、近年では様々な種類の代用甘味料が開発され、その安全性と効果が注目されています。代用甘味料は、砂糖と比べて虫歯のリスクが低いことが知られていますが、その理由は一体どこにあるのでしょうか?
1. 代用甘味料は細菌の餌にならない
虫歯は、口の中に存在するミュータンス菌などの細菌が、砂糖を分解して酸を生成することで、歯のエナメル質が溶解し、穴が開いてしまう病気です。このプロセスにおいて、細菌は砂糖をエネルギー源として利用しています。
一方、多くの代用甘味料は、細菌が代謝することができない構造をしています。つまり、細菌は代用甘味料を分解して酸を生成することができないため、虫歯の発生に繋がらないのです。
具体的な例として、以下のような代用甘味料が挙げられます。
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キシリトール: 人工の甘味料で、砂糖と似た甘みを持ちながら、細菌が代謝できません。むしろ、ミュータンス菌の活動を抑制する効果もあると言われています。
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エリスリトール: 糖アルコールで、砂糖の約70〜80%の甘みを持ち、カロリーも低いです。細菌が代謝できないため、虫歯リスクが低いことが知られています。
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ステビア(ステビオサイド): 植物由来の天然の甘味料で、砂糖の300倍以上の甘みがあります。カロリーが非常に低く、細菌が代謝できないため、虫歯リスクは極めて低いと言われています。
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アスパルテーム: 人工甘味料で、砂糖の約100〜200倍の甘みがあります。カロリーが非常に低く、細菌が代謝できないため、虫歯リスクは低いと言われています。
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スクラロース: 人工甘味料で、砂糖の約600倍の甘みがあります。カロリーが非常に低く、細菌が代謝できないため、虫歯リスクは低いと言われています。
2. 代用甘味料は口の中のpH値を下げにくい
虫歯の発生には、口の中のpH値が酸性側に傾くことも重要な要因となります。砂糖を摂取すると、細菌が砂糖を分解して酸を生成し、口の中のpH値が低下します。この酸性環境下では、歯のエナメル質が溶解しやすくなり、虫歯のリスクが高まります。
代用甘味料は、砂糖と比べて口の中のpH値を下げにくいことが知られています。これは、代用甘味料が細菌によって分解されにくいため、酸の生成量が少なく、口の中のpH値が大きく変化しないためです。
3. 代用甘味料は歯の再石灰化を促進する可能性
歯のエナメル質は、常に溶解と再石灰化を繰り返しています。砂糖を摂取すると、口の中のpH値が酸性側に傾き、エナメル質の溶解が促進されます。しかし、代用甘味料の中には、歯の再石灰化を促進する効果があるものも存在します。
例えば、キシリトールは、歯の再石灰化を促進する効果があることが知られています。キシリトールは、唾液中のカルシウムやリン酸の濃度を高め、エナメル質の再石灰化を促進する効果があると考えられています。
4. 代用甘味料は糖分の摂取量を抑える効果がある
代用甘味料は、砂糖と比べて甘みが強いため、少量で砂糖と同じ甘さを実現することができます。そのため、代用甘味料を使用することで、糖分の摂取量を抑えることが可能です。
糖分の摂取量を抑えることで、口の中の細菌が酸を生成する量も減り、虫歯のリスクを軽減することができます。
ただし、代用甘味料にも注意点があります。
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過剰摂取は健康への影響が懸念される: 代用甘味料の中には、過剰摂取によって健康への影響が懸念されるものも存在します。そのため、食品表示をよく確認し、適量を摂取することが重要です。
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味覚への影響: 代用甘味料は砂糖と比べて甘みが強く、味覚に影響を与える可能性があります。特に、子供の味覚形成期においては、過剰な代用甘味料の使用は控えるべきです。
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歯の健康だけではない: 代用甘味料は虫歯のリスクを下げる効果がありますが、他の健康への影響も考慮する必要があります。
まとめ
代用甘味料は、砂糖と比べて虫歯のリスクが低いことが知られています。これは、細菌が代謝できない、口の中のpH値を下げにくい、歯の再石灰化を促進する可能性がある、糖分の摂取量を抑える効果があるなどの理由によるものです。
ただし、代用甘味料にも注意点があり、過剰摂取や味覚への影響、他の健康への影響などには注意が必要です。代用甘味料を使用する際には、食品表示をよく確認し、適量を摂取することが重要です。
虫歯予防には、代用甘味料の利用に加えて、以下の対策も有効です。
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食後や就寝前に歯磨きをする: 口の中の細菌を洗い流すことで、虫歯のリスクを軽減できます。
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フッ素配合の歯磨き粉を使用する: フッ素は、歯のエナメル質を強化し、虫歯の発生を抑制する効果があります。
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定期的に歯科検診を受ける: 早期発見・治療によって、虫歯の進行を抑制することができます。
代用甘味料は、砂糖に比べて虫歯のリスクが低いとはいえ、万能ではありません。適切な使用方法と、他の虫歯予防対策を組み合わせることで、より効果的に虫歯を予防することができます。
この記事を読んでいただき、皆様の健康な体と笑顔を守るための一助になれば幸いです。
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