テトラサイクリン歯とは? 〜抗生物質の影響による歯の着色〜
テトラサイクリン歯とは、テトラサイクリン系抗生物質を妊娠中または歯の形成期(乳幼児期)に服用したことにより、歯に黄褐色から暗褐色の着色が生じる状態を指します。この着色は永久歯に現れることが多く、審美的にも機能的にも問題を引き起こす可能性があります。
発症メカニズム:
テトラサイクリン系抗生物質は、細菌のタンパク質合成を阻害することで抗菌作用を示します。しかし、これらの抗生物質はカルシウムと結合する性質を持っており、骨や歯などのカルシウム沈着組織にも取り込まれます。特に、歯の形成期である妊娠後期から乳幼児期にかけてテトラサイクリン系抗生物質を服用すると、歯の組織にテトラサイクリンが沈着し、歯のミネラル化に影響を与えます。これにより、歯のエナメル質と象牙質に黄褐色から暗褐色の着色が生じます。
着色の程度は、服用したテトラサイクリンの種類、服用量、服用期間、患者の年齢、歯の形成時期などによって異なります。一般的に、服用期間が長く、服用量が多いほど、着色は濃くなります。また、歯の形成が盛んな時期に服用した場合、着色もより顕著になります。例えば、妊娠後期に服用した場合、永久歯に、乳幼児期に服用した場合、乳歯と永久歯の両方に着色が生じる可能性があります。
臨床症状:
テトラサイクリン歯の主な症状は、歯の着色です。着色は歯全体に広がることもあれば、一部に限定されることもあります。色は黄褐色から暗褐色まで様々で、場合によっては灰色や黒色になることもあります。着色は通常、歯の表面に現れますが、場合によっては歯の内部まで及ぶこともあります。
着色の程度は、歯の表面が粗造になる場合もあります。これは、テトラサイクリンが歯のミネラル化を妨げるため、エナメル質の形成が不完全になるためです。また、歯の脆弱性が増し、歯の欠損や磨耗が起こりやすくなる可能性があります。
着色の程度がひどい場合、歯の審美的な問題だけでなく、精神的なストレスを引き起こす可能性もあります。特に、笑顔を見せることをためらったり、人前で話すことを避けるようになるなど、社会的な活動に支障をきたすケースもあります。
診断:
テトラサイクリン歯の診断は、患者の病歴と臨床所見に基づいて行われます。妊娠中や乳幼児期にテトラサイクリン系抗生物質を服用したという病歴があれば、テトラサイクリン歯を強く疑うことができます。また、歯の着色パターンや程度も診断に役立ちます。必要に応じて、レントゲン撮影を行うことで、歯の内部の着色の程度を評価することもあります。
治療:
テトラサイクリン歯の治療は、着色の程度や患者の希望によって異なります。軽度の着色であれば、特別な治療は必要ありません。しかし、着色が強い場合や、審美的な問題が気になる場合は、以下の治療法が考えられます。
テトラサイクリン歯などの内部着色は、外部着色に比べて薬剤を使用したホワイトニングでは治療が困難ですが、当院で導入している
トランセントフラッシュホワイトニングは有効です。
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ホワイトニング: 薬剤を使ったホームホワイトニングやオフィスホワイトニングでは、外部着色と比べて効果は限定的です。内部着色に対しては、トランセントフラッシュホワイトニングが有効です。
※トランセントフラッシュホワイトニングは従来のホワイトニングでは難しかったテトラサイクリン歯、神経のない歯、高齢者の歯などにも効果を発揮します。象牙質という歯の内部に生じた着色にも対応しており、歯を内側からしっかりと白くします。歯の内部着色物質である「ポルフィリン色素」は、トランセントフラッシュホワイトニングで使用する高出力のLED青色光により生成されるOH⋆ヒドロキシラジカルと結合すると、酸化漂白という現象が起こります。この過程でポルフィリンは脱色され、歯の内部までしっかりと白くなります。このメカニズムによって従来では難症例とされていた歯もしっかりと白くすることができます。
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ラミネートベニア: 歯の表面に薄いセラミック製のシェルを貼り付ける治療です。変色した歯を覆い隠すことで、歯の色を改善することができますが、歯を削ったりしてしまいます。
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クラウン: 歯全体を人工の被せ物で覆う治療です。変色した歯を完全に隠すことができますが、歯を削ったりしてしまいます。
歯を削る量はラミネートベニアよりも多くなります(クラウン>ラミネートベニア)
予防:
テトラサイクリン歯の予防は、妊娠中や乳幼児期にテトラサイクリン系抗生物質を服用しないことが最も重要です。妊娠中は、医師の指示がない限り、テトラサイクリン系抗生物質の服用を避けるべきです。乳幼児期にテトラサイクリン系抗生物質を服用する必要がある場合は、服用期間をできる限り短くし、服用量を最小限に抑える必要があります。
医師は、テトラサイクリン系抗生物質の処方を行う際には、患者の年齢や病歴を十分に考慮し、他の抗生物質が使用できない場合にのみ処方する必要があります。また、患者に対しても、テトラサイクリン系抗生物質の服用による歯への影響について、十分な説明を行うことが重要です。
テトラサイクリン歯は、一度着色すると完全に治すことは困難です。そのため、予防が最も重要です。妊娠中や乳幼児期の抗生物質の使用については、医師と十分に相談し、リスクとベネフィットを比較検討することが大切です。
まとめ
当院で取り扱っているトランセントフラッシュホワイトングは皆さまの歯の健康を第一に配慮した国内認証医療機器を使用した
最先端のホワイトニングでテトラサイクリン歯などの歯の内部着色にもとても有効的です。初めてのホワイトニングをお考えの方、今までホワイトニングで効果が薄く感じられた方、過去にホワイトニングでシミや痛みが出られて辛い経験をされた方は、是非一度ご来院くださいませ。最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事を読んでいただき、皆様の健康な体と笑顔を守るための一助になれば幸いです。
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